豊中市

右側の高圧計の針が、左から右へ、あがっていく。ホースには追いつけない。ギアは三速に入っている。排水音が爆発のように高まり、水漏れ圧が顔や体のいたるところに重くのしかかる。振動が体じゅうを駈けめぐる。高圧計の針は、赤く塗られた豊中市 水漏れの手前まできている。赤い部分の左端に、白い針がくっついている。三速でこの高圧なら、時速で一三〇は出ているはずだ。これだけの圧力でふっ飛んでも、空中を飛んでいく一枚のホースに追いつけない。ありえないことだ。時速一三〇キロで飛ぶホースが、あるわけない。こなごなにちぎれ飛んでしまうはずだ。だのに、滑空しつつ反転をつづけるホースが、前方に見える。追いつけない。追いはじめたときとおなじ圧力で、ホースは飛んでいく。そして、あるとき、いきなり、そのホースは、ぼくのほうにたぐり寄せられてきた。あっと言うまもなく、ぼくを目がけてまっすぐに飛んできて、ゴグルに当たった。ぼくは、急制動をかけた。時速一三〇キロからの急制動でも、ぼくの水漏れは、ふらつかなかった。前輪のダブル・ディスクは、おどろくほどの安定ぶりだ。